こんばんは。東朋子です。
ある方から「コミュニティビジネス」について訊きたいとご連絡があり、
これをきっかけに、頭の整理をしてみた。想いが先行していないかを確かめるため、この業界をよく知る方に「私の言っていることってあってますか?」と確認してもらった上で、少し確信が持てたので、ブログに書いてみることにする。
というか、せっかく考えたのだから、書いちゃおという感じ。
まずは、コミュニティビジネス。
これって、地域課題をビジネスの手法で解決するということなんだが、
では、ソーシャルビジネスとは何か?
ソーシャルビジネスは、社会的課題の課題に取り組むことをミッションにして、ビジネスで継続的に事業を進めていくこと。
わかりやすく言うと、社会課題をビジネスで解決することである。
だから、「コミュニティビジネス」は、ソーシャルビジネスのうち、より地域性のあるものを指す。
これは、経済産業省のホームページもたくさん記載されている。
www.meti.go.jp/policy/local_economy/sbcb/index.html
でも、私はこの言葉が本当にすきではない。
ソーシャルビジネスであれ、コミュニティビジネスであれ、社会的事業であれ、社会的起業であれ、そういう言葉は、言葉のイメージが先行するので、誤解を与えかねないと危惧している。
なので、好んで使うことはない。
株式会社であっても、企業がそこにあること自体が既に社会のためになっているはずなのに、ミッションが先か、後からかによって、呼ばれる名前を変えるって、なんだか非常に不自然だと感じる。
かつ、株式会社でも、NPO法人でも、個人事業主でも、儲けてもいいのは当然ということを理解している人が非常に少ないのも残念でならない。
当たり前だが、収益事業を開始したら、届け出て、かつ税金をきっちり
耳をそろえて支払わないといけない。
雇用も生み出すべき。
これもあたりまえである。
ただし、NPO法人は、配当がなく、株式会社は配当がある。
この違いが最も大きなことのように思う。
他にも設立の手続きなどは違うが、経営していくうえで、
この1点が大きな差であると考える。
阪神淡路大震災から生まれたNPO法人。
またその中から生まれたソーシャルビジネス(SB)という「仕事」。
たとえば、孤立しがちな高齢者に「生きがいあるしごと」を
与えたことの意義は大変大きかった。
地域住民が仮設住宅を支援するとか、高齢者の見守り支援など。
今は東日本大震災における東北支援。
これ自体には非常に意味があり、より一層そういう「生きがいあるしごと」が生まれればよいと懇願している。
ただ「生きがいあるしごと」=ソーシャルビジネスではない。
ましてや、NPO法人を積極的に設立することでは絶対にない!
NPO法が平成24年4月から改正されることになった。
既にご存知の方も多いと思う。
寄付によって運営基盤を強化できる。
だからこそ、この時期にNPO法人の経営に関する考え方も
一新する必要があると私は思う。
毎年、兵庫県のNPO法人で3割程度が事業報告・決算報告義務を怠って
督促を受けていると聞く。
そういうNPO法人こそ、あらためて、法人格が必要なのかを考え直すべきであると強く思う。
NPO業界の中で、中間支援団体という言葉を耳にした方も多いと思うが、
行政から補助や委託を請けながら無料で法人設立を担っている場合も多い。
こみさぽも、設立相談を受けているが、この業務にかかる費用は一切持ち出しである。
持ち出しを自慢しているわけではなく、私たちは仮にその先人であるが故に、自分の知っている知識をご披露しているにすぎないと思っているのである。
もし、設立相談をする専門家は誰かと聞かれたら、
まさしく行政書士等の有資格者の方々だと答えたい。
今はまだ、その領域でビジネスが成立していない(要するに、NPO法人設立を考える方が設立コストを包括できていない)のだが、
今後は、それこそ目指すべきだと思っている。
行政補助等により、設立の数値目標が設定され、ある意味、その補助金等の根拠のために、法人格を取る必要がない団体まで法人設立しないといけないような気分になるのは、あまりにセンスがないと思う。
こみさぽでは、法人格が必要ないと思ったら、率直にそう説明するし、
他の法人にしたほうがいいとまで言うし、時には、任意団体のままのほうがよいともいう。そういう当然のことを当然にいうために、この中間支援の部分で、補助や委託は請けたくない。
設立当初から、そこは貫いている。
今回の法改正で、会計・税務・労務等は、素人ができる範囲を超えてきたと思っている。
専門家(税理士・行政書士・会計士等)にコストを払って委ねるべきである。
こういうことを言うと、業界内で物議を醸しだすかもしれない。でも恐れずに言おう。
法人化するためには「コストと義務」が必須だと思う。
コストを支払うことによって、責任の所在を明確にし、設立に責任を持たせることができる。
そして義務を守らない法人は、法人であってはいけない。
そして本来「中間支援団体」と言われる団体のソーシャルビジネスとは、その手法や情報、知恵、ネットワーク、アイデア、発想にきちんと「対価」をもらって、指導・アドバイスを行い、クライアントに喜んでいただきながら、喜んで費用を払ってもらって、収益を上げるべきと思っている。
また一石を投じてしまったのなら、ごめんなさい。
でも、本当にそう思うのだから仕方ない。
小心者なので、私見についてのコメントは要りません。
もう今年は、打たれ強くなる練習の年みたいだったから、
おなかいっぱいです・・・(^_^;)