2013/04/26 トピックス

「新しい公共」に乗り遅れないために知っておきたいNPOのそもそもという話をしました。

おはようございます。東朋子です。
総会シーズンです。こみさぽも29日に総会を控え、バタバタの渦中ですが、とにかく月に1回はブログを更新しなくてはと思い、書いています。

今日は県庁職員さんが中心となって開催している勉強会で講演したのでその報告。

お話した内容は
・NPOとボランティアの違い
・今、なぜNPOなのか?
・NPOの役割とは
・NPOと関わる時の心得
それにワークショップまで盛り込んで、2時間いっぱいワイワイ話してきました。

NPO法人に対する理解は、自治体によって大きく差があります。
自治体によって差があるということは、
それがすなわち市民理解にも差があるということなのですが
それぞれのまちにお住まいの皆さんはどう感じられますか?

例えば近隣で『NPO法人といえば「障害者介護」もしくは「高齢者介護」に
携わっているところが多いな・・・』とか
『イベントに関連しているNPO法人が多いな・・・』とか
市民の皆さんが率直に感じる印象があると思います。

これがいわゆる皆さんにとっての「NPO法人」です。

講演の最初にNPO法人のイメージを絵で描いてみてくださいとお願いしました。
ほとんどが県庁・市町職員の皆さんでしたから、短時間でどんな絵ができあがるんだろう
と期待していましたが、参加者の皆さんの様子を見ていると
まあ、手が進まないこと進まないこと(^^ゞ

正解がないものを描くことは難しいみたいですね。

そして、ほとんどの絵は「にこにこ」なイメージでした。
ほんまかいな?

きっと「NPO法人がこうだったらいいよね?」という理想像を描いてくれたのかも
しれませんが、
・よっぽどNPO法人を知らない か ・NPO法人に夢と希望を抱いている か
ですね。

NPO法人を設立する人たちの中には、
株式会社で仕事をとるよりNPO法人の方が仕事を取りやすかったから
なんて人もいますし、
設立に費用がかからないからNPO法人をいくつも作って
上手に運用している人もいます。

それが間違っているとは言いませんが
同じNPO法人として少し残念ではあります。

確かに「NPO法人」というものはただの人格名だから法に触れていないのであれば
運用の仕方が制限されるものではないけれど、
ビジネス展開のツールのひとつではないと思っています。

お話の中で言い残したことがあったので少しだけ書いておきますが
前述のような「ジレンマ」をNPO法人に関わる人たちはずっと抱えて悩んでいるという事。
まるで正解のない絵を描いた時と同じようにです。

行政がNPO法人に委託等お金を支払えば、公金を使っている以上、
市民に対する説明責任があり、
そのためには一定以上のNPO法人への管理?関与?いっちょかみ?を余儀なくされます。
というか大切な税金ですから、NPO法人側ももちろんそれを受容しなければならない。

でも、NPOは自分たちの良さやノウハウ、知恵を出し尽くしたいし、よりよきものに
したいから、ある程度自由でいたいし、それを尊重してほしい。それに前に書いた通り、
ビジネス展開のツールとして設立したのではないNPO法人は、くそまじめに「企業では
できない、行政でもできない」を考えつくして、時にはわかり易く安価で受託したりしてしまう。
その上、突然「ごめん。財政課とのやりとりでお金なくなってん」なんて言われて、
せっかく広報協力までしてきた委託事業なのに、実施できなくなる。そして、それがお金出さない
行政の皆さんによって、止まってしまったのに、あのNPO法人は委託してもらえなかったあかんたれの
NPO法人だと言われてしまって評判を落とす。

きっとこの「ジレンマ」の間にあるのが「新しい公共」なのだと思うのです。
新しい公共なんて、誰も触れたこともないし、見たこともない。
でもお互いの立場を理解した上で、信頼関係を構築し、最後には
「市民の幸せを最優先に考える」ために、それぞれで何ができるのだろうの
行きつく先に「新しい公共」と言われるものがあるのだと思います。

だから、NPO法人を決して安価な労働力だと思わないで欲しい。
財政負担を軽減するために仕事を肩代わりさせるところでもない。

社会課題を解決するために事業を行っている私たちのようなNPO法人は
継続的にそのサービスを続けたほうが市民のためになると思って、日々事業をしています。
それは時に苦渋の選択を迫られても、企業のようにバッサリと
収益に結びつかないからやめるという答えにはならない、そしてそれが一番の悩みだったりする。

市民の未来を想定し、共に市民の幸せを願うなら
行政の保守的な理由のために、行き当たりばったりでNPO法人に費用を渡すべきではないと
思います。

でも、NPO法人に委託したほうが幅が広く奥が深い事業が展開できるのだから
もちろんNPO法人だって請けさせてほしい。

そうです。NPO法人を生かすも殺すも行政の皆さんにかかっている。

そもそも前述のジレンマをずっとずっと持ったままの私は
そのジレンマを直視して「自立すること(ビジネスによっていくこと)と
市民の幸せを最優先に考えること(不利なことをわかって事業委託を請けること)と
説明責任を果たすこと(公金をもらっていることの重い責任を背負うこと)」の
バランスを絶えず模索しています。

今回の勉強会ではたくさんの「モヤモヤ」が生まれてくれたらいいなと思っていたので
結論なんて出なかったけど、
その後の始まって以来の出席率と言われた懇親会が
終わりよければすべてよし的にまとめてくれたように思います。

て、結局みんな、連休前で呑みたかっただけやんヽ(^o^)丿

しかし
everything never ever happen again!
あんなに楽しかった夜はもうないかもしれない!

ということで、役所の皆さんばんざい!

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