今日、久しぶりに今津駅前商店街の立花さんのところ「初音屋」へ、立ち寄ってきました。いつも、変わらず待っていてくれるような雰囲気の喫茶店ってどんどんなくなっていくのに、立花さんのところは、いつ行っても、そんな雰囲気の漂う店内で、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。
お話ししたかった事をひとしきり話した後、話題にあがったのは、阪急ガーデンズのこと。
「阪急ガーデンズがオープンしてから、お客さんが、がくっと減った・・・」と、立花さんらしからぬ弱気な発言が飛び出します。
昔から、地域の様々な問題を難なくクリアしながら、商店街を商店街として維持継続していくための、尽力された立花さんが、「商店街の活動どころじゃないんだ。自分ところの商売をなんとかしないといけない」とまで、言う状況になってしまっています。
話は飛びますが、私は、つい先日の答申が出されるまで、総合計画の審議委員として西宮市から委嘱されていました。総合計画というのは、以前ブログでも紹介したとおり、「西宮市のこれからの10年をどう進めていくか」という重要な計画を審議する大変名誉な職です。
そもそも、私は策定委員からも参画していて、どのような内容が盛り込まれるかというのは、漠然とながら理解していました。策定委員から審議委員、それも一般市民の代表として審議委員に選んでいただくには、あまりにも勉強不足ではないかと思っていたほどでした。
その10年という長い期間の中で、何をするのかを決める根幹となるこの「総合計画」なのに、『実際に現場で活動しながら、またある一定以上の知識と情報が手に入っているメンバー』というのは実は、ほんの一握りしかいないと感じ、こんな勉強不足の私でさえも、発言をすることができました。また行政サイドの、課題について真摯に向き合ってくれる態度に感動すら覚えました。
ほぼ10年間、地域活動やPTA活動、NPO活動等に従事し、かつ民間での職場経験があったことは、大変役に立ったのも事実です。
余談になってしまいましたが、その総合計画の中で、私が配属されたのが、「第4部会」と呼ばれる産業・商業などを中心とした議題について審議する部会でした。
その中で、大変多くの議題を審議していきましたが、阪急ガーデンズをはじめとする「大型店舗との共存共栄」については、大変議論が分かれるところでした。
分かれるといっても、大きく分けて
●大型店舗を(極端に申し上げると)排除する派 と
●大型店舗を(極端に申し上げると)容認する派 だったと認識しています。
悔いが残るのは、その時に私が市内各地の現場での声を吸い上げられる立場にいながら、もっともっと話を聞いて、意見を取り入れる行動をすればよかったということです。なんだか無難な話に終始し、本当に死活問題になっている商店主の声を拾い切れていなかったと反省しきりです。
さて、話は戻って、今津「初音屋」の立花さん。
阪急ガーデンズができてから落ち込んでいく売上をそのままやり過ごしていくことはできません。話の途中から、初音屋を元気にする計画をみんなで練ることになりました。近くにあるパチンコ店は朝から並んでいるが、その人たちに対して、どのようなアプローチがよいのかや、ゆったりした時間を過ごせる店内の雰囲気を変えることなく、客層を安定させながら売り上げを伸ばす方策はないかとか、様々な議論の末、やってみようということが少し見えた気がします。
私たちが応援する「まちづくり」は、こういうひとつひとつの課題を解決していくこと、そして、公的機関ではないので、「遍く皆様公平に」ではない、「必要なところに必要な支援を」のサービスを提供していくことなのだと、確信しました。